自分てどんな人?台所を観察しましょう。
愛は台所に表れる。
今回呼んだのはこちら。
市井の人々の台所を取材すること140軒。
雑誌で取り上げられるようなオシャレな空間ではない
(オシャレなところもあるとは思いますが。。。)、
でも魅力的なエピソードの詰まった19の台所物語。
著者は本の中で「台所に入っていくなんて図々しくないとできない取材」
とおっしゃっています。
しかし、物語一つ一つから取材相手に対する敬意と愛が感じられ、
ある時は寄り添い、またある時は近づきすぎない絶妙な距離感で
取材しているのがうかがえます。
そのため、きれいに見せようといううそっぽさはなく、
人間くさいリアルがあり、それが最大の魅力となっています。
また、私の中でいい文章か判断するの基準の一つに「具体的な表現があることで
その場面をイメージできる」というのがあります。
今回の作品はまさに具体的な表現があり、少しの写真は入っていますが、
文章だけで台所の風景を想像させるテクニックがあります。
台所の風景という土台があるからこそ、
そこであったやり取りがイメージしやすくなっているのも特徴です。
人間は食べないと生きてはいけないものです。
だから台所には人間の営みが表れる。
そこに注目した著者の視点は新しく、人間の魅力を
再認識させてくれるものとなっています
ちなみに我が家の台所は一人暮らしを開始した約14年前から使っている
電子レンジ・トースター・炊飯器があり、故障することなく現役で働いています。
よく言えばものを大事にしている、悪く言えば変化しないという、
自分の14年間をあらわしたような台所になっています。
皆さんも自分の台所を観察してみてはいかがでしょうか。